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クリニック通信

令和4年9月1日

 あっという間に今年も9月になってしまいました。まだ暑い日は続くものの、暦の上では9月は「秋」。古くから伝わる行事をみると、「秋らしさ」を感じる方も多いのではないでしょうか。9月の23日は秋分の日ですが、秋分の日を中日とした7日間は「秋の彼岸」、お墓参りや法要など、先祖供養の日とされています。また、1日のうち昼と夜の長さが同じになるのが秋分です。

 この時期になるとだんだん流行してくるのが、RSウイルス感染症です。RSウイルス感染症は、病原体であるRSウイルスが伝播することによって発生する呼吸器感染症です。年齢を問わず、生涯にわたり顕性感染を繰り返し、生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の小児がRSウイルスの初感染を受けるとされています。

 上の図は神奈川県内の流行状況を各年で比較した図です。2020年までは徐々に患者数が低下していましたが、昨年からぐっと増えていることがわかります。2021年の流行が大きかった理由は何でしょうか。前年の2020年は、新型コロナウイルス感染症の流行により保育所や幼稚園が休園となり、感染機会が減少したことに加え、マスク、手指消毒等の感染症対策のための衛生行動が浸透したことにより、RSウイルス感染症の流行が起きなかったと思われます。そのため、例年であればRSウイルスに感染していたであろう乳幼児や小児が、感染機会のないままに過ごしました。その結果、RSウイルスに対して免疫のない人の数が例年よりも多く、それらの人たちの間で感染が広がったため、2021年は流行が大きかったと考えられます。

 RSウイルス感染症に対する定期接種のワクチンはまだありません。重篤な下気道炎の発症を抑制するためにシナジス(一般名パリビズマブ:Palivizumab)というモノクローナル抗体製剤を投与する方法がありますが、投与対象患者が早産児や基礎疾患を持つ乳幼児に限定されているので、一般的ではありません。感染を予防するには、ウイルスに接触する機会をできるだけ減らす必要があります。マスクをする、手洗いや手指消毒をこまめに行うなど、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症と同じ感染症対策が有効です。また、多くの人が触る場所や物などを定期的に消毒することも有効です。乳幼児や高齢者の場合は、本人が感染症対策を実行することが難しい場合が多いので、家族や介護する人など、周囲の人が感染症対策を行い、ウイルスに接触する機会をできるだけ減らすことが重要です。

「患者様第一」を心がけ、質の高い医療を提供すべく、診療に遺漏無きよう努めてまいります。
何卒よろしくお願いいたします。

医療法人社団 茅ヶ崎セントラルクリニック
院長 仙賀 裕

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